現役土地家屋調査士の土地境界Q&A 第3回|土地家屋調査士は現地で何をしている?【水戸市・茨城県】
土地の境界確認では、土地家屋調査士が現地に行って調査を行います。
第1回では境界確認とは何か、第2回では境界確認の際にどのような資料を調べるのかについて解説しました。
では、実際に現地ではどのような調査を行っているのでしょうか。
今回は、土地家屋調査士が現地でどのように境界標を探し、境界を調査しているのかについて解説します。
現地で境界標の有無を確認する
現地調査では、まず収集した資料を確認し、その内容をもとに境界標の有無を調べます。
ただし、境界標を探すといっても、やみくもに現地を探しているわけではありません。
過去に作成された地積測量図などに記録されている座標値や距離、現地の工作物、土地の形状など、資料に残された情報を手掛かりにして探査を行います。
資料にどのような情報が記録されているかによって、境界標の探し方も変わってきます。
座標値が記録されている場合
過去に作成された地積測量図などに座標値が記録されている場合には、その座標値を利用して筆界点の位置を現地で探査することができます。
例えば、記録されている座標値が世界測地系によるもので、当時の測量で使用した基準点が現地に残っている場合には、その基準点を利用して、図面に記録された筆界点を探します。
当時の基準点が現地に残っていない場合には、GNSS機器(人工衛星を利用して位置を測定する機器)を使用して、現地に世界測地系の基準点を新たに設置し、その基準点を利用して筆界点を探査する方法があります。
また、使用する機器や測量方法によっては、新たに基準点を設置せず、GNSS機器を使用して、図面に記録された座標値をもとに直接、筆界点の位置を探査することも可能です。
一方、図面が任意座標で作成されている場合には、当時設置された任意の基準点が現地に残っていれば、それを利用して筆界点を探査できる場合があります。
このように、座標値が記録されている場合には、その座標値や基準点の状況を確認し、記録された位置を現地で探していきます。
座標値が記録されていない場合
では、座標値そのものが記録されていない場合はどうするのでしょうか。
この場合には、まず図面などから筆界点のおおよその位置を確認し、現地で境界標を探します。
各筆界点間の距離が記録されている場合には、その距離を巻尺などで現地に落とし込み、境界標を探査します。
筆界点間の距離などの記録がない場合には、ブロック塀やフェンス、擁壁、建物、道路、水路などの工作物や土地の形状、周辺の状況を調査しながら、筆界点のおおよその位置を判断して境界標を探します。
座標値や距離の記録がなくても、ほかの資料や現地の状況から手掛かりが得られることがあります。
そのため、資料の内容と現地の状況を照らし合わせながら、慎重に探査を進めていきます。
境界標を探すのは簡単ではない
境界標は、いつも地表に見えているとは限りません。
土に埋まっていたり、周囲の土砂や草などに覆われていたりすることもあるため、境界標を探す際には、穴を掘るなどの肉体労働が伴うこともあります。
そのため、私は日頃からウォーキングをしたり、適度な運動を心がけています。
そして、苦労して探していた境界標を発見できたときには、ちょっと大げさかもしれませんが、お宝を発見したような嬉しさがあります。
もちろん、境界標を見つけたからといって、それだけで境界が確定するわけではありません。それでも、過去の資料に記録された情報と現地の境界標の位置が一致したときには、思わず「ここにあったか!」と声が出そうになります。
資料と現地を照らし合わせて境界を調査する
土地の境界確認では、資料を調べるだけでも、現地を確認するだけでも十分とは限りません。
過去に作成された図面や記録を調査し、そこに記載された座標値や距離などの情報を現地に当てはめ、実際の状況と照らし合わせながら境界を検討していきます。
第2回で説明した資料調査と、今回説明した現地調査は、別々の作業ではありません。
資料から得られた情報を現地で確認し、現地で得られた情報を再び資料と照らし合わせる。
こうした作業を積み重ねていくことが、土地家屋調査士の行う境界調査の一つです。
土地の境界でお困りの方へ
「境界標が見当たらない」
「土地の境界がはっきりしない」
「売却や相続の前に境界を確認したい」
土地の境界確認は、資料の内容や現地の状況によって調査方法が異なります。
土地の境界について不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
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